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小児血清疫学調査は検体採取に困難も多く, 国内のみならず国外においても新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に関する小児抗体保有状況の報告は少ない。今回, 小学4年生対象の生活習慣病予防健診(以下, 健診)が毎年行われている香川県市町のご協力のもと, 2020年度から3年間, 同一地域においてSARS-CoV-2感染診断歴(以下, 診断歴), 新型コロナワクチン(以下, ワクチン)接種歴等とともに抗SARS-CoV-2抗体保有状況の変化を追跡し, 小児における感染拡大状況, 感染およびワクチン接種による抗体獲得状況を検討した。
梅毒は, 感染症法に基づく5類感染症の全数把握対象疾患に定められ, 診断した医師は7日以内に管轄の保健所に届け出ることが義務づけられている(届出基準はhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-11.htmlを参照)。
世界保健機関(WHO)は, 季節性インフルエンザや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の急性呼吸器感染症について, インフルエンザ様疾患(ILI)の定点サーベイランスを用いて, 全外来受診者数中のILI患者数の割合(ILI%)やILI患者数(または検査数)中の検査陽性例の割合(検査陽性率, 以下, 陽性率)等を経時的に示すことを推奨している1)。わが国の法に基づく感染症サーベイランスにおいては, 届出対象となる感染症に関して, 従来から感染症を診断した際に医師により患者の届出が義務づけられてきた2)。この患者サーベイランスの課題としては, 検査数が把握されていないことが挙げられる。患者報告数の推移は, 受診行動や検査数の変化等にも影響を受けるため, 検査数や陽性率を同時に評価することが重要である。
続きを読む: 電子カルテの診療データを用いた季節性インフルエンザとCOVID-19の呼吸器感染症サーベイランスの有用性検討
レジオネラ症は, レジオネラ属菌による呼吸器感染症であり, 大半がLegionella pneumophila(L. pneumophila)により引き起こされる1)。レジオネラ症の感染源はレジオネラ属菌に汚染された水系環境であり, 感染源の解明には患者検体および患者周辺の環境から分離された菌株を用いた分子疫学解析が有用とされている。今回, 培養陰性喀痰検体から抽出されたDNAを用いて行われたダイレクトsequence-based typing(SBT)法により, 自宅浴槽におけるレジオネラ感染が推定された事例について報告する。
続きを読む: ダイレクトsequence-based typing法により感染源を追究した自宅浴槽でのLegionella pneumophila感染事例―山形県
コンゴ民主共和国におけるクレードI によるエムポックスの流行について
2023年12月22日時点
国立感染症研究所
概要